2018-01-01から1年間の記事一覧

梟の羽

わたしはずっと、基本的にかなしい生き物として生きてきた。 慰めも励ましも共感も、そのときは有難く受け取ることができるのだけれど、相手とさようならをして一分後のわたしの目は大体しんでいる。掻き消されたはずのもやもやがあっという間に一面のこころ…

手を離された風船の話

さようなら。と打った時、胸が軋む音がした、ような気がした。 一緒に幸せになれなくてごめんね。今までありがとう。さようなら。 定型文三行を読み返して、誤字がないことだけを確認して送信した。煙草に火をつける。天井を見上げる。自分の言葉を自分の口…